要介護者の移動の介助(車いす)

バリアフリー

 

バリアフリーは、1990年ごろから、「ハートビル法」などによってすすめられてきました。

 

ノーマライゼーションの観点から、車いすの利用者のことが考えられるようになり、
現在では、出入り口が広い建物が増えていますし、段差も解消されているところが
増えてきました。

 

シーティングシステム(座位保持装置)

 

普通の車いすでは、姿勢を保持することが難しい重度の身体障害者に、
安定した座位の姿勢を確保し、上肢機能へ配慮した適切な作業や活動をするための
姿勢を提供する福祉用具の事を、
シーティングシステム(座位保持装置)と言います。

 

シーティングシステム(座位保持装置)は、
1989年に、身体障害者福祉法の補装具交付基準の対象品目になっています。

 

「車いす」と「車椅子」の違い

 

従来は、椅子に車をつけたという概念があり、「車椅子」と表記していました。

 

しかし、現在の車いすは、身体の一部である、障害者の足となる、
生活の基盤であるという意味合いから、
「車いす」という表記をするようになっています。

 

車いすダンス

 

60年ほど前に、イギリスで誕生した車いすダンス。

 

誕生した当時は、車いすの方同士で踊るデュオ方式が主流でしたが、
その後、ドイツのクロムフォルツ教授が、車いすの方と健常者が踊る
コンピスタイルという方法を考案し、各国に普及しています。

 

現在は、パラリンピックの正式競技種目にもなるほど、
車いすダンスは周知されています。

 

車いすダンスでは、車いすのほうを「ウィルチェア・ドライバー」といい、
健常者を「スタンディング・パートナー」と呼びます。

 

車いすで段差を上る方法

 

車いすで段差を上るときには、テコの原理を活用するため、
足をティッピングレバーにかけます。

 

ティッピングレバーにかけた足は力点、
支点が大車輪の接地面となり、
作用点としてキャスターを浮かせることができます。

 

(1) 前向きに進み、段に対して直角に止まります。

 

(2) 声かけをしてから、ティッピングレバーを踏みます。

 

    テコの原理で、キャスター(前輪)を上げて段に乗せます。

 

    グリップを下に押し下げてティッピングレバーを真下ではなく、
   斜め前に力がかかるようにします。

 

    車いすに座っている利用者に、少し後方へ身体を倒してもらうと、
   利用者も介護者も安楽です。

 

(3) 大車輪(後輪)を押し上げます。

 

    このとき、介護者の大腿部で、バックレストを前に押すと、
   上げやすいです。

 

車いすで外出する際の介助方法

 

事前に、車いすのタイヤの空気量やブレーキの効き具合、
ハンドルのがたつきなどを点検して置くようにしましょう。

 

利用者の服装を整えて、車いすに深く座ってもらい、
足はフットレストにおいて、安全で安楽な姿勢であることを確認してから出かけましょう。

 

車いすで外出するときは、安全に気をつけ、歩道を押すようにします。

 

車いすで段差を下りる方法

 

車いすで段差を降りるときは、後向きに下ります。

 

前向きで下りた場合、利用者が前につんのめる危険性があるので、
安全のために、後向きで下りるようにします。

 

(1) 後向きになって後輪を下ろします。

 

(2) キャスターを上げた状態で、後に引いてゆっくり下ろします。

 

車いすで坂を上がる方法

 

車いすで坂を上がるときは、押し戻されないように押していきます。

 

車いすで坂を下る方法

 

車いすで坂を下るときは、緩やかな下り坂は前向きでゆっくり下りますが、
急な下り坂のときは、後向きでゆっくり下るようにします。

 

車いすで砂利道を進む方法

 

車いすで、砂利道のような不整地を進むときは、
キャスターを上げていく、もしくは、後向きでひっぱっていくようにします。

 

車いすで溝を越える方法

 

車いすで溝を越える場合は、まず、溝の前で直角に止まって、
キャスターを上げて前進し、溝を越えたらキャスターを下ろすようにします。

 

そして、後輪を浮かせて進み、溝を越えたら後輪をゆっくり下ろします。