要介護者の衣類の着脱の介助

寝衣から日常着に着替えることによって、
生活のメリハリがつき、日常生活が活性化します。

 

日常着は、要介護者本人の好みや習慣を尊重し、
精神的に満足するものを身体状況に合わせ、選んでいきましょう。

 

また、下着も毎日取り替えます。

 

汚れが見えなくても、下着は汚垢で汚れますし、
毎日取り替えて、清潔なものを身につければ、
気分も爽やかになります。

 

好ましい下着とは

 

高齢者にとって、好ましい下着とは、肌触りがよく、汗や汚垢を吸い取る吸湿性が高く、
通気性や保湿性があるもの、
また、洗濯に耐えることができ、伸縮性があって着脱しやすいものです。

 

素材でいえば、綿100&が望ましいでしょう。

 

下着は毎日取り替えます。

 

また、汚れたらすぐにキレイなものに取替え、
清潔を保つようにしましょう。

 

好ましい日常着とは

 

好ましい日常着は、肩幅や背幅があり、全体的にゆとりのあるもの、
前と後が分かりやすいもの、軽くてやわらかいもの、
吸湿性、保湿性があるもの、着脱が便利なものなどです。

 

着脱に関しては、マジックテープを活用したり、
ボタンを大きくするなどして工夫しましょう。

 

また、転倒予防の観点から、着丈は短めのほうが良いでしょう。

 

・高齢者の加齢にともなう体型の変化

 

高齢者は、加齢に伴って体型が変化します。

 

そのため、中年までを対象とした既製服は高齢者には適合しにくくなります。

 

具体的な高齢者の加齢に伴う体型の変化とは、
「脊椎の湾曲により上半身が前かがみになりやすい。」、
「バランスをとるために腰が引けて、膝を前に出した姿勢になる。」などがあります。

 

片麻痺のある要介護者の着替え

 

片麻痺がある利用者(要介護者)の衣類の着脱は、
健側から脱がせ、患側から着せるというルールがあります。

 

これは、麻痺側に負担をかけず、楽に衣類を着脱するためです。

 

また、麻痺側の手足は自由に動かすことが出来ないので、
健側を十分に活用するためにも、健側を使って着替えます。

 

・片麻痺のある要介護者が前開きの上着を脱ぐ場合

 

(1) 健側を使ってボタンを外し、麻痺側の衣類を肩まで下げます。

 

(2) 健側の肩から脱ぎ、袖を脱ぎます。

 

(3) 麻痺側の袖を脱ぎます。

 

・片麻痺のある要介護者が前開きの上着を着る場合

 

(1) 手繰り寄せた上着を麻痺側の手に通して、肩まで着ます。

 

(2) 健側の手に反対側の袖を通します。

 

(3) 上着を調え、健側の手でボタンをかけます。

 

・片麻痺のある要介護者のズボンを脱ぐときの一部介助の方法

 

(1) 要介護者に立位になってもらい、ズボンを下ろします。

 

(2) 要介護者に椅子に座ってもらって、健側の足を脱ぎ、
   次に麻痺側の足を脱いでもらいます。

 

・片麻痺のある要介護者のズボンを履くときの一部介助の方法

 

(1) 要介護者に椅子に座ってもらい、
   ズボンを麻痺側の足に通し、次に健側の足に通します。

 

(2) ズボンを膝上まであげたら、要介護者に立位になってもらいます。

 

(3) 腰までズボンを上げて、整えます。

 

 

寝衣に着替えるときには、カーテンを閉め、プライバシーに配慮しましょう。

 

また、寝衣は、保温性、通気性、吸水性など、季節に応じたものを選び、
清潔を保ちましょう。

 

和式の寝衣の着せ方

 

和式の寝衣は、衿を左前にしないようにします。

 

これは、右衿を左衿の上にして、紐はタテに結ぶという
死に装束の風習から来ています。

 

「左前にしない」という「前」とは、時間の「前」のことです。

 

着物の衿を合わせるときに、先に左側を身体に引き寄せるのは死に装束の場合です。

 

着るときには、右を先に引き寄せ、上に左をかぶせます。

 

自分で和式の寝衣を着る方法

 

着物の衿の端を持って、左右の長さがなおな字になるように調整し、
右手を身体のほうに引き寄せて、その上に左手に持った衿を重ねるようにします。

 

和式の場合は、男女とも同じです。

 

寝たきりの要介護者の寝衣の着脱方法

 

(1) 袖の脱がせ方・袖の通し方

 

一般的には袖を手繰り寄せて手を通します。

 

肘が曲がらない要介護者や、太っている要介護者に対しては、
緩めた衿ぐりを手前に引いて、袖を通します。

 

(2) 背部のシワはとる

 

背部のシワは、しっかりととります。

 

寝衣の腋窩知覚、臀部の後身頃を「ハ」の字に引いて、
裾を股間近くまで寝衣の背縫いを手繰って持ち、
足元のほうへ引きます。

 

すると、背部の横とタテのシワがきれいに伸び、
着心地がよくなります。

 

(3) 腰紐を結ぶ

 

腰紐は、片手が入るくらいのゆるみを持たせて結びます。

 

立て結びは死に装束なので、たて結びにならないように気をつけて結びましょう。